今、東オホーツクでは、ジャガイモ(馬鈴薯)の花が満開です。
東オホーツクは、ジャガイモ、小麦、ビート(甜菜:砂糖大根)の一大生産地です。
これらの3つの作物は畑作三品とも呼ばれ、主幹作物です。
このうちジャガイモは、なす科の作物です。(トマトもなす科です。)
なす科の作物は、同じ畑で連作すると翌年、収穫量が思わしくなく、病気等も発生しやすくなります。
そのため、小麦やビートと組み合わせて、栽培する畑を年によって変えていく「輪作」が行われています。
小麦は土中の養分の偏りをなくす役割を持っています。
ですから、同じ場所から見る斜里岳の毎年前景は違った作物が植えられます。
今回紹介している斜里岳と全面のジャガイモ畑の光景も来年はきっと違った景観になっているに違いありません。
農家の苦労でおりなされる整然とした農村の景観も東オホーツクの魅力の一つです。
こうした美しい東オホーツクの景観は、農家の営みと切り離して考えることはできません。
自然といった場合、過去から継続している「原生的な自然」と農村の田んぼや畑のように「創造的な自然」も一方であることを私たちは自然とつきあう時に考えていく必要があるように思います。
東オホーツクのジャガイモは、品質のバロメータである澱粉質(%)が高いところに特徴があります。
東オホーツクでは酪農家と連携して、堆肥をつくり土づくりに力を入れている農家が多くなってきました。
また、オホーツクの気象が持つ寒暖差がジャガイモのうまみにつながっているとも言われています。
ジャガイモの収穫は、9月の上旬よりはじまります。
この時期になると専用のハーベスターという収穫用の大型機械が各畑をめまぐるしく走り回ります。そうした農村の風景に接すると、大地の恵みとして生まれる農産物のありがたさがさらに理解できることになります。
夏から秋にかけての東オホーツクの農村景観もぜひ味わっていただきたいと思います。
ちなみに清里町ではこのジャガイモを利用した焼酎造りに取り組んでいます。
この話題は別途ご紹介したいと思います。